日藝とは 日藝賞

日藝賞

在学生、教職員などが中心となって選考する「日藝賞」は、著しく日藝の名声を高め、
その業績が社会に貢献し、芸術を志す学生に夢を与える人物に贈られています。

各界に多彩な人材を輩出していることで知られる日藝。特にメディアやクリエイティブの世界には出身者が多く、仕事を介して同級生や先輩・後輩と偶然に出会うケースも多いようです。そんな事実に着目し、校友とのつながりを深めるために創設されたのが『日藝賞』。全ての日藝出身者を対象にその年に最も活躍した人物を独自に表彰することで、出身者への敬意を表すとともに、在学生への励みとしています。まだ形になっていない表現への衝動を、よりよいカタチで表現してほしい。そのためのフックになれば…。そんな「遊び心」が現れた日藝ならではの賞なのです。

第7回 日藝賞

日藝賞は、日藝の校友とのつながりを深めることを目的として、2006年に創設されました。授賞対象は、中退者も含め、かつて日藝に在席していたことのある人すべて。また、活躍分野は一切問いません。在校生、教職員、校友会役員等による投票で候補者が選ばれ、日藝賞選考委員会が業績などを審議して決定します。
第7回となる今回は、小説家のよしもとばなな氏と、作曲家の森田公一氏が受賞しました。よしもと氏は、23歳でデビューして以来、話題作を次々と発表。国内はもとより、世界30カ国以上で翻訳され、高く評価されています。また、森田氏は、1970年代には「森田公一とトップギャラン」として「青春時代」でミリオンセラーを達成したほか、ヒット曲を世に送り出してきたことが、それぞれ授賞の理由となっています。授賞式は、2013年4月8日の芸術学部入学歓迎式の中で行われ、日藝賞選考委員長の野田慶人学部長より、お二人に記念の賞状、名前が刻まれたトロフィーなどが贈られました。

よしもと ばなな 作家

思いがけない受賞に驚き。
思いがけず、日藝賞をいただきました。予想もしていなかったことで、驚いています。まだ実感がわきませんが、ありがとうございます。今日は自分の賞のことよりも、皆さんの入学を祝うためにやってきました。皆さん、入学おめでとうございます。たくさんの新しい経験が、皆さんを良い方向へ導いてくれることを祈っています。

【新入生への祝辞を朗読】
アドリブで話すことがあまり得意ではないというよしもと氏は、締め切りが重なり多忙な中、新入学の学生を祝うための原稿を用意して授賞式に臨まれ、舞台の上で朗読してくださいました。

PROFILE

1964年、東京都生まれ。1987年、文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」で、芸術学部長賞受賞。同年、小説「キッチン」でデビューし、第6回海燕新人文学賞(1987年)、第16回泉鏡花文学賞(1988年)受賞。以後、話題作を発表し、多くの賞を受賞。30カ国以上で翻訳出版され、海外での評価も高い。小説のほかエッセイも多数著している。現代日本を代表する女流作家。

【主な作品】

●小説:「キッチン」(1987年)、『不倫と南米』(2000年)、『どんぐり姉妹』(2010年)、『ジュージュー』(2011年)、『スウィート・ヒアアフター』(2011年)●エッセイ:『パイナツプリン』(1989年)、『人生の旅をゆく』(2006年)、『人生の旅をゆく2』(2012年)●受賞歴:第39回芸術選奨文部大臣新人賞(1988年/『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』、第2回山本周五郎賞(1989年『TUGUMI』)、第5回紫式部文学賞(1995年『アムリタ』)、スカンノ賞(イタリア/1993年)、カプリ賞(イタリア/2011年)

森田 公一 作曲家

メロディで喜びのお返しを。
ありがとうございます。この感謝と、喜びと、名誉を、何という言葉で表現したらいいか。僕は文学者ではなく、作詞家でもないので上手に伝えることができません。でも、これから機会がありましたら、ぜひ歌で、メロディで、みなさんに恩返しができたらいいと考えています。この喜びを胸に、もうひと頑張り、ふた頑張り、いってみたいと思います。本当に、ありがとうございました。

【『桜の木の下で』を指揮】
日本大学創立90周年記念愛唱歌『桜の木の下で』は、森田氏の手による楽曲です。そこで今回の授賞式では、特別に森田氏自身が指揮をとり、音楽学科の学生合唱団により、この曲が披露されました。

PROFILE

1940年、北海道生まれ。1959年、音楽学科入学。在学中から作曲活動とピアノ弾き語りを始める。1969年、「森田公一とトップギャラン」として歌手デビュー。1976年に『青春時代』を発表し、その年のミリオンセラーとなる。作曲家としては、天地真理、アグネス・チャン、桜田淳子らトップスターの作品を多数手がけ、大ヒットを次々と世に送り出す。さらには、映画音楽、アニメ主題歌、CMソングなど、幅広いジャンルの曲を創作してきた。これらの経験を活かし、町おこしや自然保護などに関する講演活動も行っている。

【主な作品】

●作曲:『ひとりじゃないの』(1972年/天地真理)、『ひなげしの花』(1972年/アグネス・チャン)、『ハートのエースが出てこない』(1975年/キャンディーズ)、『あやとり』(1976年/美空ひばり)、『時代おくれ』(1986年/河島英五)●受賞歴:第14回日本レコード大賞最優秀歌唱賞(1972年『あの鐘を鳴らすのはあなた』)、第17回日本レコード大賞作曲賞(1975年『下宿屋』)

日藝賞 歴代受賞者