日藝とは 日藝賞
在学生、教職員などが中心となって選考する「日藝賞」は、著しく日藝の名声を高め、
その業績が社会に貢献し、芸術を志す学生に夢を与える人物に贈られています。
各界に多彩な人材を輩出していることで知られる日藝。特にメディアやクリエイティブの世界には出身者が多く、仕事を介して同級生や先輩・後輩と偶然に出会うケースも多いようです。そんな事実に着目し、校友とのつながりを深めるために創設されたのが『日藝賞』。全ての日藝出身者を対象にその年に最も活躍した人物を独自に表彰することで、出身者への敬意を表すとともに、在学生への励みとしています。まだ形になっていない表現への衝動を、よりよいカタチで表現してほしい。そのためのフックになれば…。そんな「遊び心」が現れた日藝ならではの賞なのです。
第10回 日藝賞
日藝賞は日藝の校友とのつながりを深めることを目的として、2006年に創設されました。受賞対象者は、中退者も含め、かつて日藝に在籍していたことのある人すべて。活躍分野は一切問いません。在校生、教職員、芸術学部校友会役員等による投票で候補者が選ばれ、日藝賞選考委員会が業績などを審議して決定します。
記念すべき第10回となる今回は、歌舞伎俳優の中村獅童氏と俳優の池松壮亮氏が受賞しました。
中村氏は、1981年に『妹背山婦女庭訓』で歌舞伎座の初舞台を踏み、二代目中村獅童を襲名。1996年には、『狐狸狐狸ばなし』おそめ役で歌舞伎座賞を受賞しています。また、歌舞伎と並行して現代劇にも出演し、映画デビュー作の『ピンポン』では、日本アカデミー賞をはじめ5つの新人賞を受賞。クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』で、ハリウッド進出も果たしています。
池松氏は、2001年に劇団四季ミュージカル『ライオン・キング』のヤングシンバ役でデビュー。その後、ハリウッド映画『ラスト サムライ』で映画に初出演してからは、映画はもちろんテレビ、舞台など多方面で活躍し、今、最も目が離せない若手俳優の一人となっています。
授賞式は、2016年4月5日の芸術学部入学歓迎式の中で行われ、日藝賞選考委員長の野田慶人学部長より、受賞されたお二人に、記念の賞状、名前が刻まれたトロフィーなどが贈られました。
また、お二人からは、受賞の喜びの声と新入生への温かい励ましのコメントをいただきました。
中村 獅童 俳優
大いに夢を語り、学んでほしい。いつかどこかの現場で会えることに期待!
皆さん、このたびはご入学おめでとうございます。私は今年の9月で44歳になりますが、20年も前の大学生活をいまだによく思い出します。さまざまな夢について、たくさんの友人と語り合いました。皆さんも大いに夢を語り、学び、実現に向けてエネルギーを傾けていってください。皆さんの大学生活を、私も応援します。そして、社会に出たら、さまざまなお仕事に就かれることでしょう。もしも、いつかどこかの現場でお会いすることがあったら、「2016年の日藝新入生歓迎式にいました」と、ぜひお声をかけてください。楽しみにしています! 本日は、ありがとうございました。
PROFILE
1972年、東京都生まれ。1992年、演劇学科入学。祖父は昭和の名女形と謳われた三世中村時蔵、父はその三男・三喜雄。6歳から日本舞踊を学び、8歳で初舞台を踏む。歌舞伎以外にも、舞台、映画、テレビドラマ、アニメーションやゲームの声優、CMなど多数の作品に出演。幅広い層から高い人気を得ている。
●歌舞伎:『義経千本桜』(狐忠信役)、『あらしのよるに』(がぶ役)、『怪談乳房榎』(磯貝浪江役)、『瞼の母』(番場の忠太郎役)、『船弁慶』(弁慶役)●映画:『ピンポン』(2002)、『男たちの大和-YAMATO-』(2005年)、『硫黄島からの手紙』(2006年)、『銀の匙 Silver Spoon』(2014年)、『振り子』(2015年)●テレビ:『春日局』(1989年)、『新選組!』(2004年)、『八重の桜』(2013年)●受賞歴:日本アカデミー賞・ゴールデン・アロー賞・ブルーリボン賞・日本映画批評家対象・毎日映画コンクール(各新人賞・2003年)、沖縄国際映画祭『TV DIRECTOR'S MOVIE 』部門(主演男優賞・2014年)など
池松 壮亮 俳優
不安や悩みも多かった4年間。でも、あの時間があったからこそ今がある。
新入生の皆さん、本当におめでとうございます。僕は、7年前に皆さんと同じように入学し、これから皆さんがなさるように、所沢と江古田の校舎に通いました。楽しいだけではなく不安や悩みも多かった4年間ですが、あの時間があったからこそ、今は日々好きなことに取り組み、今日ここに立つことができたのだと感じています。これからの4年間、皆さんそれぞれにどんな過ごし方をしてもいいと思いますが、それが大人になったときのかけがえのない通過点となることを、僕は心から願っています。本日は、このような賞をいただき大変光栄です。どうもありがとうございました。
PROFILE
1990年、福岡県生まれ。2009年、映画学科入学。10歳でデビューし、小・中・高校では仕事と学業に加え、野球部でレギュラーとして活躍。映画学科では監督コースを専攻し、卒業後は話題の作品に次々と出演。2014年には映画賞7冠を達成した。演技力には定評があり、『MOZU』では主役級の存在感を見せつけている。
●映画:『ラストサムライ』(2003年)、『DIVE!!』(2008年)、『紙の月』(2014年)、『劇場版 MOZU』(2015年)、『シェル・コレクター』(2016年)、『デスノート Light up the NEW world』(2016年)●テレビ:『義経』(2005年)、『風林火山』(2007年)、『MOZU Season1.2』(2014年)、●主な受賞歴: TAMA映画賞(最優秀新進男優賞・2013年)、日刊スポーツ映画大賞(助演男優賞・2014年)、キネマ旬報ベスト・テン(助演男優賞・2014年)、日本アカデミー賞(新人俳優賞・2014年)、ブルーリボン賞(助演男優賞・2014年)、日本映画プロフェッショナル大賞(主演男優賞・2014年)など