日藝とは 日藝賞
在学生、教職員などが中心となって選考する「日藝賞」は、著しく日藝の名声を高め、
その業績が社会に貢献し、芸術を志す学生に夢を与える人物に贈られています。
各界に多彩な人材を輩出していることで知られる日藝。特にメディアやクリエイティブの世界には出身者が多く、仕事を介して同級生や先輩・後輩と偶然に出会うケースも多いようです。そんな事実に着目し、校友とのつながりを深めるために創設されたのが『日藝賞』。全ての日藝出身者を対象にその年に最も活躍した人物を独自に表彰することで、出身者への敬意を表すとともに、在学生への励みとしています。まだ形になっていない表現への衝動を、よりよいカタチで表現してほしい。そのためのフックになれば…。そんな「遊び心」が現れた日藝ならではの賞なのです。
第5回 日藝賞
日藝賞は、日藝の校友のつながりを深めることを目的として、2006年に創設されました。中退者も含め、かつて日藝に在籍していたことのある人すべてが、その受賞対象です。また、活躍分野は一切問いません。在校生、専任教職員、校友会役員の投票で候補者が選ばれ、日藝賞選考委員会が業績などを審議して決定します。受賞者には、賞状と名前が刻まれた記念トロフィー等が贈られます。第5回となる今回は、小説家の林真理子氏と漫画家の青山剛昌氏が受賞しました。
授賞式は、3月11日の東日本大震災から間もない4月8日、芸術学部新入生歓迎式プログラムとして江古田キャンパスの大ホールで行われ、ご出席いただいた林真理子氏からは、壇上から受賞の喜びとともに励ましの言葉が述べられました。また、仕事の都合で残念ながら欠席された青山剛昌氏は、ビデオで心あたたまるメッセージを届けてくださいました。お二人には後日、学内で講演を行っていただきました。
林 真理子 作家
皆さん、今日はおめでとうございます。そして、このような素晴らしい賞を、どうもありがとうございました。今日、ここに来ながら「入学したのは20何年前だっけ?」と思っていたら、40年前だということが分かりました。皆さんは、これから日藝の仲間です。きっと私の前に、いろんなマスコミの中に入って、私の前に現れてくれると思います。その日を待っています。今日は、どうもありがとうございました。
PROFILE
1954年、山梨県生まれ。1976年、日本大学芸術学部文芸学科卒業。コピーライターを経て、1982年にエッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を出版。1984年からは著作に専念。以後、多数の作品を生み出し続けている。1986年『最終便に間に合えば/京都まで』で第94回直木賞受賞。1995年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞受賞。1998年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞受賞。現在、直木賞、講談社エッセイ賞、吉川英治文学賞などの選考委員を務める。
●小説『ミカドの淑女』『素晴らしき家族旅行』『女文士』『不機嫌な果実』『anego』『野ばら』『アッコちゃんの時代』『もっと塩味を!』『六条御息所 源氏がたり』●エッセイ『「綺麗な人」と言われるようになったのは、四十歳を過ぎてからでした』『いいんだか悪いんだか』●児童文学『秘密のスイーツ』●その他『生き方名言新書Ⅰ 林真理子』、ほか多数
青山 剛昌 漫画家
名誉ある賞をいただき、光栄です。いただいた賞金は、すべて東日本大震災の被災者の方々へ寄付させていただきます。日藝は、僕が高校時代にイメージしていた大学より、かなり自由でした。その日藝が、漫画で大学を描くときのベースになっています。僕はこの大学を、人を癒したり、楽しませたり、感動させたり、勇気づけたりすることを学ぶところだと思っています。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。日本を勇気づけることを、これからしっかり学んでください。
PROFILE
1963年、鳥取県生まれ。1985年、日本大学芸術学部美術学科卒業。所属していた漫画研究部「熱血漫画根性会」の先輩(現・漫画家)阿部ゆたか氏の勧めで新人賞に応募。1986年、『ちょっとまってて』で小学館新人コミック大賞に入選しデビュー。以後、週刊少年サンデー誌を中心に作品を発表。1994年から連載中の『名探偵コナン』は、コミックス71巻を数えアニメーションやゲームにもなる大ヒットに。2001年、『名探偵コナン』で第46回小学館漫画賞(少年部門)受賞。
●コミックス『まじっく快斗』『YAIBA』『青山剛昌短編集』『4番サード』『探偵ジョージのミニミニ大作戦』『ちょっとまってて』『プレイ イット アゲイン』『えくすかりばあ』『サンデー19show さまよえる赤い蝶』『さりげなくルパン』『名探偵コナン』●TVアニメ『剣勇伝説YAIBA』『名探偵コナン』●映画『名探偵コナン・劇場版』(第1作~第15作)、ほか